AIボイスレコーダーは必要?PLAUDの料金と、Macアプリで足りる場面の線引き

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AIボイスレコーダーは必要?PLAUDの料金と、Macアプリで足りる場面の線引き

カートに入れたまま、3日経っている。

AIボイスレコーダーのレビュー動画は便利そうに見えるし、口コミの評判も悪くありません。ただ、3万円前後の本体に加えて月額がかかると知ってから、手が止まっている人は多いはずです。

この判断は、会議の中身ではなく会議をしている場所で決まります。PCを開けない場所で人と話すことが多いならデバイスが効きますし、ほとんどがPCの前のオンライン会議なら、録る手段はすでに手元にあります。この記事では、PLAUDを例に本体とサブスクを合算した費用、無料枠が会議何本分にあたるか、そしてどちらを選ぶかの線引きを整理します。

AIボイスレコーダーにかかる費用は、本体だけではない

本体価格

PLAUDシリーズの直販価格は次のとおりです。

機種本体価格(税込)形状
PLAUD Note27,500円カード型(スマホ背面に装着)
PLAUD NotePin27,500円ピン型(身につける)
PLAUD Note Pro30,800円カード型+0.95インチディスプレイ
PLAUD公式サイトのAIアプリ年間無制限プランのページ。年額40,000円(税込)と表示されている
PLAUD公式サイト
Note Proは2025年10月14日に国内発売されたモデルで、マイクを4基搭載し、本体の画面でバッテリー残量や録音状況を確認できます(マイナビニュース)。旧モデルのPLAUD Noteも併売されています。

サブスクは3段階

文字起こしと要約はクラウド側の処理なので、本体とは別にメンバーシップが必要です。プランは機種を問わず共通です。

プラン価格(税込)月あたりの文字起こし
Starter無料300分
Pro年額 16,800円1,200分
Unlimited年額 40,000円上限なし(1日24時間まで)
PLAUD公式の料金ページの記載より。Unlimitedは著しく過度な利用の場合に制限されることがあると注記されています

初年度の合計で見る

本体とサブスクを足すと、実際に支払う金額はこうなります。

組み合わせ初年度2年目以降
Note + Starter(無料)27,500円0円
Note + Pro44,300円16,800円
Note Pro + Pro47,600円16,800円
Note Pro + Unlimited70,800円40,000円
判断に効くのは下2行ではなく、いちばん上の行です。本体だけ買ってStarterのまま使うという選択が成立するかどうかで、総額が大きく変わります。それを左右するのが、無料プランの月300分です。

無料の月300分は、会議何本分か

300分は5時間です。会議の長さに当てはめると、こうなります。

会議の長さStarter(300分)で録れる本数Pro(1,200分)で録れる本数
30分月10本月40本
1時間月5本月20本
1時間30分月3本月13本

ここから、現実的な使い方は3つに分かれます。

  • 週1の定例+月数回の面談: 月5本前後なので、Starterのままで収まります。本体代だけで運用できる形です
  • 週3回以上の会議: 1時間換算で月12本以上になり、2週目で300分を使い切ります
  • ほぼ毎日会議がある: Proの1,200分でも、1時間の会議が月20本で上限です。長い会議が多いならUnlimitedが視野に入ります
つまり「買えば録り放題」ではなく、録る量がそのまま年間コストになる設計です。月に何時間話しているかを先に数えてください。

デバイスが明確に強い4つの場面

ここからは、デバイスでなければ難しい場面を挙げます。ここに当てはまるなら、買う価値がはっきりしています。

対面の打ち合わせ

Note Proは音声強化モードで5m、長時間駆動モードで3mの収音範囲が公称されています。テーブルの反対側の声まで拾う前提で設計されているので、会議室での打ち合わせや複数人の対面取材では、PCの内蔵マイクより条件が良くなります。

対面の記録そのものをどう残すかは対面会議もMacで録音してAI議事録でも扱っていますが、人数が多い部屋や広いテーブルでは、専用マイクのほうが有利です。

移動中・現場・PCを開けない場所

訪問先からの帰り道に浮かんだことを吹き込む、工場や店舗を歩きながら気づきを残す、といった使い方はデバイスの独壇場です。ノートPCを開く動作が入らないことに価値があります。

長時間の収録

Note Proは連続録音が最大30時間、長時間駆動モードでは最大50時間と案内されています。終日のワークショップや研修を1日通して録るなら、電源とバッテリーの心配が要りません。

通話の録音

スマホの通話をそのまま残したい場合、デバイス側に通話録音モードがあるかどうかが効いてきます。PCで完結しない会話が業務の中心なら、ここは代えがききません。

PCの前の会議なら、録る手段はもう手元にある

一方で、会議のほとんどがZoom・Google Meet・Teamsだという人は、話が変わります。

オンライン会議の音は、PCの中で鳴っている

オンライン会議の相手の声は、ネットワークを通ってPCの中でデジタルデータとして再生されています。デバイスで録るということは、その音をいったんスピーカーから空気に出して、もう一度マイクで拾い直すということです。
空調の音も、キーボードの音も、一緒に入ります。PLAUD公式ブログ自身も、スマホの標準録音機能や録音アプリを選択肢として紹介しています(PLAUD公式ブログ)。録音という行為そのものは、手元の機械でもできることです。

Macアプリなら設定なしで内部音声とマイクを同時に録れる

PC内部で鳴っている音をそのまま録れば、拾い直しは起きません。Macの場合、以前はBlackHoleなどの仮想オーディオを入れる必要がありましたが、現在は追加設定なしで内部音声を録れるアプリがあります。手順はBlackHole不要でMacの内部音声を録音する方法にまとめています。
録音から議事録までの流れを一本にしたい場合はMacで会議を自動文字起こしする方法が最短です。

画面共有された資料や数字は、映像でしか残らない

見落としやすいのがここです。AIボイスレコーダーが残すのは音声とそのテキストで、画面共有されたスライドやスプレッドシートは記録されません。

「その数字、どのスライドでしたっけ」に答えられるのは録画だけです。商談やレビュー会議のように画面を見ながら進む会議が多いなら、音声だけの記録には穴が残ります。

QurecoはMac用の録画・録音アプリで、ここを埋める形になります。
  • 録画・録音は無料で、時間制限もウォーターマークもありません。月300分のような上限がないので、録る量を気にせず試せます
  • 音声のみのモードもあるので、映像が不要な面談では音声だけ残せます
  • AI議事録とNotion連携はProプラン(月額980円のローンチ価格)で、2週間無料・クレジットカードの登録なしで試せます
Qurecoの録画画面。キャプチャ対象の選択肢に「音声のみ録音」が用意されている
Qureco公式サイト

一つだけ注意点です。QurecoはmacOS向けのアプリなので、PCを開いていない場所での録音には向きません。訪問先や移動中が記録の中心なら、この記事で比較する意味はあまりなく、デバイスを買うのが自然な選択です。

買う前に確かめる3つの質問

迷いを3つの質問に分解すると、答えが出ます。

質問1: 月に何分録りますか

300分(5時間)を超えるなら、本体代だけでは終わりません。年16,800円が毎年かかる前提で考えてください。

質問2: 録る場所はPCの前ですか、それ以外ですか

PCの前が8割以上なら、デバイスは「1台増える荷物」になりがちです。逆に対面や移動中が半分を超えるなら、PCだけでは録りきれません。

質問3: 残したいのは音声だけですか、画面も含みますか

画面共有を見ながら進む会議が中心なら、音声だけでは後から確認できない情報が残ります。

質問1質問2質問3向いている形
300分以下PCの前が中心画面も残したいPCで録画する
300分以下対面が中心音声だけでよいデバイス+Starter(無料)
300分超対面が中心音声だけでよいデバイス+Pro
300分超両方ある画面も残したい併用する

併用という答えもある

どちらか一方を選ぶ必要はありません。実務では、場所で使い分けるのがいちばん無理がない形です。

  • 対面・移動中・現場: デバイスで録る
  • オンライン会議: PCで録画して、画面も一緒に残す
このとき困るのが、記録が2か所に散ることです。片方はデバイスのアプリ、片方はPCのフォルダ、という状態になると、3か月後に探せません。議事録の置き場所だけは1つに決めておいてください。Notionに集約する設計はNotionで議事録を管理する方法に書いています。

よくある質問

スマホの録音アプリでは足りないのですか

対面で、相手が近くにいるなら足りることが多いです。足りなくなるのは、距離がある部屋、複数人が同時に話す場、長時間の収録です。まずスマホで1回録ってみて、聞き返して不満があれば買う、という順番でも遅くありません。

文字起こしの精度はデバイスのほうが高いのですか
精度を決めるのは、エンジンよりも入ってくる音の条件です。マイクが近く、雑音が少なく、話者が重ならない音声なら、どの手段でも結果は近づきます。逆に、広い部屋で遠くの声を拾う条件では専用マイクの差が出ます。オンライン会議のようにPC内部から直接音を取れる場合は、条件としてはかなり良い部類に入ります。
買ってから後悔するのはどういうケースですか

会議のほとんどがオンラインで、かつ画面共有を見ながら進む仕事の場合です。音声だけが残っても、見ていた資料が残らないので、結局PCでも録ることになります。

Windowsでも同じ考え方で選べますか

費用と場所の考え方はそのまま使えます。ただしこの記事で挙げたMacアプリの導線は当てはまりません。Windowsの場合は標準の録画機能や他のアプリで、内部音声を録れるかどうかを先に確認してください。

無料枠を使い切ったらどうなりますか

Starterの300分を使い切ると、その月はそれ以上の文字起こしができません。録音自体はできても、テキストにする工程が止まる形になります。月の後半に大事な会議が集中する人は、残りの分数に気をつけてください。

まとめ

  • AIボイスレコーダーの費用は本体だけではありません。PLAUDなら本体27,500〜30,800円に加えて、文字起こしのサブスクがStarter無料(月300分)/ Pro年16,800円(月1,200分)/ Unlimited年40,000円
  • 無料の300分は1時間の会議なら月5本。週1の定例程度なら本体代だけで運用できますが、週3回以上ならProが前提になります
  • デバイスが強いのは対面・移動中・長時間・通話の4場面。収音範囲5m、連続30時間という設計はここに効きます
  • 会議がPCの前で完結しているなら、音を空気に出して拾い直す必要はありません。内部音声をそのまま録るほうが条件が良く、画面共有も一緒に残せます
  • 迷ったら、月の録音時間・録る場所・残したいもの(音声か画面か)の3つで判断してください

カートに戻る前に、次の会議を1本だけ手元の環境で録ってみてください。聞き返したときに何が足りなかったかが、そのまま答えになります。

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この記事を書いた人

井上 峻輔

井上 峻輔

Qurio株式会社 代表取締役

AIコンサルティング会社Qurioの創設者。上智大学にてAIを専攻し、AI研究サークル「SOMA」を設立。その後、株式会社JPMTの代表として「みんプロ」(ユーザー数1,300人突破)や業務分析SaaS「Optpath」の開発を手掛ける。2025年10月にQurio株式会社を設立し、AI・データ領域の開発・コンサルティングを展開。日経フォーラム「第30回 アジアの未来」に登壇。『テクノロジーの発展を促進する』ことを信条に、AIを活用した新たな価値創出に取り組んでいる。