Tactiqは日本語で使える?字幕を拾う仕組みと無料枠10回の中身

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Tactiqは日本語で使える?字幕を拾う仕組みと無料枠10回の中身

商談の参加者一覧に、見慣れない名前のbotが並んでいる。顧客に「これは何ですか」と聞かれて、AI議事録ツールだと説明することになった。

その一度で使うのをやめた人に、Tactiqは次の候補として挙がります。会議にbotを参加させず、Chrome拡張として動くからです。

ただ、日本語の会議でそのまま動くのか、無料でどこまで使えるのかは、公式サイトを見てもすぐには分かりません。この記事では、字幕を拾うという仕組み、日本語で使うために必要な2つの設定、無料枠10回の中身、そして音声も映像も残らないという仕様の意味を整理します。

botを入れず、映像も残したいなら Qureco
Mac用の録画・録音アプリで、Tactiqと同じく会議にbotを参加させません。違うのは残るものです。画面と音声が録画として残るため、共有されたスライドや数字を後から確認できます。録画そのものは無料で、回数制限も時間制限もありません。記事の後半で方式の違いを比べますが、先に試したい方はこちらから。

botを入れずに文字起こしできる仕組み

会議ツールが出している字幕をテキストにする

Tactiqがbotを使わない理由は、音声を自分で聞き取っていないからです。Google MeetやZoomが表示しているライブ字幕を、ブラウザ側で受け取ってテキストとして保存しています。
公式サイトには「ボットなしで会議をリアルタイムで文字起こしできます」「Tactiqは音声を録音または保存しません」と明記されています(Tactiq公式)。文字起こしは既定では自分だけに表示され、文字起こし中であることを参加者に通知することもできます。
Tactiq公式サイト。Google Meet・Zoom・Teamsのライブトランスクリプトを取得する無料のChrome拡張として紹介されている
Tactiq公式サイト
botを入れない記録方法そのものを比較したい場合は、【Mac】会議にbotを呼びたくない人のためのAI議事録に選択肢を並べています。

Chrome拡張として動く

対応するのはGoogle Meet、Zoom、Microsoft Teamsの3つで、Chrome拡張として追加します。ブラウザで会議に参加すると、拡張が自動的に立ち上がる形です。

Macアプリはベータで、Zoomのデスクトップ通話のみ

ダウンロードページにはMacアプリも並んでいますが、ベータ扱いで、現時点ではZoomのデスクトップ通話のみが対象です(Tactiqダウンロードページ)。Google MeetとTeamsには対応していないため、この2つを使う会議ではブラウザから参加する前提になります。

Zoomをデスクトップアプリで開く運用が社内で固定されている場合は、ここを先に確認しておくと後で困りません。

音声は録音も保存もされない

この方式のため、会議の音声データはどこにも残りません。テキストだけが残ります。利点にも制約にもなる部分なので、後半で詳しく扱います。

日本語で使うための2つの条件

日本語には対応しています。ただし、入れただけでは動かない場合があります。

条件1: 会議ツール側のライブ字幕をオンにする

Google Meetの場合、ヘルプセンターの案内ではMeetのライブ字幕をオンにしてからTactiqが文字起こしを始める形になっています(Tactiqヘルプセンター)。字幕がオフのままだと、拾う元のデータがありません。

会議が終わってから「何も残っていなかった」と気づくのがいちばん痛いので、最初の1回は字幕の表示を目で確認してください。

条件2: Tactiqの文字起こし言語を日本語に合わせる

Tactiqは話されている言語を自動では切り替えません。ヘルプセンターには「選択した言語が実際に話されている言語と一致しない場合、文字起こしが欠落したり不正確になることがある」と書かれています。

さらに、言語を変更しても、変更前に取得されたテキストは直りません。会議の途中で設定に気づいても、それまでの部分は戻らない仕様です。

プラットフォーム別の日本語対応

ヘルプセンターの対応言語一覧では、3つのプラットフォームすべてに日本語が含まれています。

プラットフォーム日本語の言語コード
Google MeetJapanese(ja)
Microsoft TeamsJapanese (Japan)(ja-JP)
ZoomJapanese(ja)

なお、対応言語数は公式サイト内でも「30以上」と「60以上」の表記が混在しています。翻訳の対応言語と文字起こしの対応言語が別に数えられているためで、文字起こしについてはヘルプセンターの一覧を見るのが確実です。

精度は会議ツールの字幕に依存する

仕組み上、Tactiqが出力するテキストの元になるのは会議ツールの字幕です。つまりGoogle Meetの字幕が苦手とする場面は、Tactiqの出力にもそのまま現れます。専門用語が多い会議や、複数人が同時に話す場面は、取りこぼしが出やすい条件です。

これはTactiqの作りの良し悪しではなく、字幕を拾うという設計から来るものです。固有名詞や金額をそのまま引用する用途なら、目で確認する工程を残しておくのが安全です。

料金と無料枠の中身

プラン表

プラン価格(年払い時・1ユーザー)文字起こしAIクレジット
Free¥010回/月5回/月
Pro¥1,249/月無制限10回/月
Team¥2,541/月(1〜20ユーザー)無制限無制限
Business¥4,800/月(20〜200ユーザー)無制限無制限
Enterprise個別見積(200ユーザー以上)無制限無制限

無料枠は文字起こし10回・AIクレジット5回

Freeプランの上限は月単位で、文字起こしが10回、AIクレジットが5回です。AIクレジットは要約やアクションアイテムの抽出といった生成系の機能で消費されます。

上限に達したときの挙動

ここが他のツールと違う点です。公式の説明によると、上限に達しても文字起こしは続き、AI機能だけが翌月のリセットまで止まります。既存の文字起こしも引き続き閲覧できます。

「無料枠が尽きた瞬間に何も残らなくなる」タイプではないので、記録そのものは確保されます。要約が必要な会議にAIクレジットを使う、という配分で運用できます。

会議の本数に当てはめると

会議のペース月の文字起こし回数Freeで足りるか
週2回の定例約8回足りる
週3回の会議約12回4週目で上限
1日4件の商談約80回3日目で上限

商談が1日に何件も入る働き方なら、Freeは試用の枠として考えるのが現実的です。

残らないもの

音声が残らない

音声を保存しない設計なので、後から聞き直すことができません。「あの言い方は前向きだったのか、保留だったのか」という温度感の確認は、テキストに残った範囲でしかできません。

画面共有された資料や数字は対象外

字幕を拾う仕組みである以上、映像は最初から対象外です。画面共有されたスライドやスプレッドシートは残りません。

記録として何が残るか

残るものTactiq画面録画型のツール
文字起こし全文残る残る
要約・アクションアイテム残る(AIクレジットの範囲)残る
会議の音声残らない(録音しない)残る
画面共有の映像残らない残る
どちらが良いという話ではありません。証跡として映像や音声が必要かどうかで選ぶものが変わります。社内の情報共有が目的ならテキストで足りますし、顧客との合意やデザインレビューのように「何を見ながら話したか」が重要な会議では、映像が必要になります。

bot不要のツールは、方式が4つに分かれる

「botを入れない」とうたうツールでも、中身の仕組みは同じではありません。つまずく場所が方式ごとに違うので、並べておきます。

方式代表的なツール音の取り方つまずきやすい点
字幕キャプチャTactiq会議ツールの字幕を受け取る字幕オンと言語設定が前提
デバイス音声処理jamie / GranolaPCで鳴っている音を処理音声が後に残らない設計のものがある
仮想マイクKrispマイクの経路に挟むオーディオ設定の切り替えが要る
画面録画Qureco画面と音声をそのまま録るファイルの置き場所を決める必要がある

Tactiqが向いている場面

状況Tactiqで足りるか
botを会議に出したくない足りる(これが設計の中心)
音声データを持ちたくない足りる(そもそも録音しない)
ブラウザからMeetに参加している足りる
Zoomをデスクトップアプリで開いているMacアプリ(ベータ)で対応
週2回程度の会議無料枠で足りる
画面共有の内容を後から確認したい別に録画する手段が必要
固有名詞や金額を正確に残したい確認の工程を残す必要がある

映像も残したい場合

「botは入れたくない。でも画面も残したい」という要件なら、Qurecoのような録画型と組み合わせる形になります。
  • 画面と音声が録画として残るので、共有された資料や数字を後から確認できます
  • 音声のみのモードもあるので、映像が不要な面談では音声だけにできます
  • 録画そのものは無料で、回数制限も時間制限もウォーターマークもありません。Tactiqと併用しても録画側の費用は増えません
  • AI議事録とNotion連携はProプラン(月額980円のローンチ価格、2週間無料・クレジットカードの登録なし)です
Qurecoの録画画面。キャプチャ対象の選択肢に「音声のみ録音」が用意されている
Qureco公式サイト
一つだけ注意点です。Qurecoは録画データを保持する形なので、音声データを一切持ちたくないという要件にはTactiqの設計のほうが合います。またmacOS向けのアプリなので、Windowsで運用しているチームにはそのまま当てはまりません。

よくある質問

botが入らないなら、相手に伝えなくていいのですか
伝えたほうがいいです。botが表示されないことは、記録していることを黙っていていい理由にはなりません。Tactiqにも文字起こし中であることを参加者に通知する機能があります。社内会議と商談で同意の線引きが変わる点は会議の録画・録音は違法?で整理しています。
無料プランのままずっと使えますか

使えます。月10回の文字起こしとAIクレジット5回の枠内です。上限に達しても文字起こしは続き、AI機能だけが止まります。

Meetの字幕をオンにし忘れたらどうなりますか

拾う元がないため、その会議の文字起こしは残りません。会議後に気づいても戻せないので、最初の数回は会議開始時に字幕の表示を確認する習慣をつけてください。

Zoomのデスクトップアプリから参加しているときは

Chrome拡張はブラウザ参加が前提なので、デスクトップアプリから参加している場合はMacアプリ(ベータ)が対象になります。Windowsでデスクトップアプリから参加している場合は、ブラウザ参加に切り替えるかどうかの判断が必要です。

日英が混ざる会議では使えますか
言語は自動で切り替わらないため、主に話される言語に合わせて1つを選ぶ形になります。途中で変えても、変える前のテキストは直りません。英語の会議での使い方は英語会議が聞き取れないまま終わる人へでも扱っています。

まとめ

  • Tactiqは会議ツールの字幕を受け取る方式で、botを会議に参加させません。音声の録音も保存もしません
  • 日本語はGoogle Meet・Teams・Zoomのすべてで対応しています。ただしライブ字幕をオンにすることと、文字起こし言語を日本語に合わせることが前提で、ずれたまま進んだ部分は後から直せません
  • 無料枠は文字起こし10回・AIクレジット5回(月)。上限に達しても文字起こしは続き、AI機能だけが止まります。有料はPro月1,249円(年払い時)から
  • 精度は会議ツールの字幕に依存します。固有名詞や金額をそのまま使う用途では、確認の工程を残してください
  • 音声も映像も残らないため、「何を見ながら話したか」が重要な会議では録画型との併用を検討する形になります

次の会議で、Meetの字幕をオンにし、Tactiq側の言語を日本語に合わせて1本だけ文字起こししてみてください。出てきたテキストの固有名詞をどれだけ直したかが、そのまま運用コストの見積もりになります。

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この記事を書いた人

井上 峻輔

井上 峻輔

Qurio株式会社 代表取締役

AIコンサルティング会社Qurioの創設者。上智大学にてAIを専攻し、AI研究サークル「SOMA」を設立。その後、株式会社JPMTの代表として「みんプロ」(ユーザー数1,300人突破)や業務分析SaaS「Optpath」の開発を手掛ける。2025年10月にQurio株式会社を設立し、AI・データ領域の開発・コンサルティングを展開。日経フォーラム「第30回 アジアの未来」に登壇。『テクノロジーの発展を促進する』ことを信条に、AIを活用した新たな価値創出に取り組んでいる。