商談の参加者一覧に、見慣れない名前のbotが並んでいる。顧客に「これは何ですか」と聞かれて、AI議事録ツールだと説明することになった。
その一度で使うのをやめた人に、Tactiqは次の候補として挙がります。会議にbotを参加させず、Chrome拡張として動くからです。
botを入れず、映像も残したいなら QurecoMac用の録画・録音アプリで、Tactiqと同じく会議にbotを参加させません。違うのは残るものです。画面と音声が録画として残るため、共有されたスライドや数字を後から確認できます。録画そのものは無料で、回数制限も時間制限もありません。記事の後半で方式の違いを比べますが、先に試したい方はこちらから。
botを入れずに文字起こしできる仕組み
会議ツールが出している字幕をテキストにする
Chrome拡張として動く
対応するのはGoogle Meet、Zoom、Microsoft Teamsの3つで、Chrome拡張として追加します。ブラウザで会議に参加すると、拡張が自動的に立ち上がる形です。
Macアプリはベータで、Zoomのデスクトップ通話のみ
Zoomをデスクトップアプリで開く運用が社内で固定されている場合は、ここを先に確認しておくと後で困りません。
音声は録音も保存もされない
この方式のため、会議の音声データはどこにも残りません。テキストだけが残ります。利点にも制約にもなる部分なので、後半で詳しく扱います。
日本語で使うための2つの条件
日本語には対応しています。ただし、入れただけでは動かない場合があります。
条件1: 会議ツール側のライブ字幕をオンにする
会議が終わってから「何も残っていなかった」と気づくのがいちばん痛いので、最初の1回は字幕の表示を目で確認してください。
条件2: Tactiqの文字起こし言語を日本語に合わせる
Tactiqは話されている言語を自動では切り替えません。ヘルプセンターには「選択した言語が実際に話されている言語と一致しない場合、文字起こしが欠落したり不正確になることがある」と書かれています。
プラットフォーム別の日本語対応
ヘルプセンターの対応言語一覧では、3つのプラットフォームすべてに日本語が含まれています。
| プラットフォーム | 日本語の言語コード |
|---|---|
| Google Meet | Japanese(ja) |
| Microsoft Teams | Japanese (Japan)(ja-JP) |
| Zoom | Japanese(ja) |
なお、対応言語数は公式サイト内でも「30以上」と「60以上」の表記が混在しています。翻訳の対応言語と文字起こしの対応言語が別に数えられているためで、文字起こしについてはヘルプセンターの一覧を見るのが確実です。
精度は会議ツールの字幕に依存する
これはTactiqの作りの良し悪しではなく、字幕を拾うという設計から来るものです。固有名詞や金額をそのまま引用する用途なら、目で確認する工程を残しておくのが安全です。
料金と無料枠の中身
プラン表
| プラン | 価格(年払い時・1ユーザー) | 文字起こし | AIクレジット |
|---|---|---|---|
| Free | ¥0 | 10回/月 | 5回/月 |
| Pro | ¥1,249/月 | 無制限 | 10回/月 |
| Team | ¥2,541/月(1〜20ユーザー) | 無制限 | 無制限 |
| Business | ¥4,800/月(20〜200ユーザー) | 無制限 | 無制限 |
| Enterprise | 個別見積(200ユーザー以上) | 無制限 | 無制限 |
無料枠は文字起こし10回・AIクレジット5回
上限に達したときの挙動
「無料枠が尽きた瞬間に何も残らなくなる」タイプではないので、記録そのものは確保されます。要約が必要な会議にAIクレジットを使う、という配分で運用できます。
会議の本数に当てはめると
| 会議のペース | 月の文字起こし回数 | Freeで足りるか |
|---|---|---|
| 週2回の定例 | 約8回 | 足りる |
| 週3回の会議 | 約12回 | 4週目で上限 |
| 1日4件の商談 | 約80回 | 3日目で上限 |
商談が1日に何件も入る働き方なら、Freeは試用の枠として考えるのが現実的です。
残らないもの
音声が残らない
音声を保存しない設計なので、後から聞き直すことができません。「あの言い方は前向きだったのか、保留だったのか」という温度感の確認は、テキストに残った範囲でしかできません。
画面共有された資料や数字は対象外
字幕を拾う仕組みである以上、映像は最初から対象外です。画面共有されたスライドやスプレッドシートは残りません。
記録として何が残るか
| 残るもの | Tactiq | 画面録画型のツール |
|---|---|---|
| 文字起こし全文 | 残る | 残る |
| 要約・アクションアイテム | 残る(AIクレジットの範囲) | 残る |
| 会議の音声 | 残らない(録音しない) | 残る |
| 画面共有の映像 | 残らない | 残る |
bot不要のツールは、方式が4つに分かれる
「botを入れない」とうたうツールでも、中身の仕組みは同じではありません。つまずく場所が方式ごとに違うので、並べておきます。
| 方式 | 代表的なツール | 音の取り方 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|---|
| 字幕キャプチャ | Tactiq | 会議ツールの字幕を受け取る | 字幕オンと言語設定が前提 |
| デバイス音声処理 | jamie / Granola | PCで鳴っている音を処理 | 音声が後に残らない設計のものがある |
| 仮想マイク | Krisp | マイクの経路に挟む | オーディオ設定の切り替えが要る |
| 画面録画 | Qureco | 画面と音声をそのまま録る | ファイルの置き場所を決める必要がある |
Tactiqが向いている場面
| 状況 | Tactiqで足りるか |
|---|---|
| botを会議に出したくない | 足りる(これが設計の中心) |
| 音声データを持ちたくない | 足りる(そもそも録音しない) |
| ブラウザからMeetに参加している | 足りる |
| Zoomをデスクトップアプリで開いている | Macアプリ(ベータ)で対応 |
| 週2回程度の会議 | 無料枠で足りる |
| 画面共有の内容を後から確認したい | 別に録画する手段が必要 |
| 固有名詞や金額を正確に残したい | 確認の工程を残す必要がある |
映像も残したい場合
- 画面と音声が録画として残るので、共有された資料や数字を後から確認できます
- 音声のみのモードもあるので、映像が不要な面談では音声だけにできます
- 録画そのものは無料で、回数制限も時間制限もウォーターマークもありません。Tactiqと併用しても録画側の費用は増えません
- AI議事録とNotion連携はProプラン(月額980円のローンチ価格、2週間無料・クレジットカードの登録なし)です
よくある質問
使えます。月10回の文字起こしとAIクレジット5回の枠内です。上限に達しても文字起こしは続き、AI機能だけが止まります。
拾う元がないため、その会議の文字起こしは残りません。会議後に気づいても戻せないので、最初の数回は会議開始時に字幕の表示を確認する習慣をつけてください。
Chrome拡張はブラウザ参加が前提なので、デスクトップアプリから参加している場合はMacアプリ(ベータ)が対象になります。Windowsでデスクトップアプリから参加している場合は、ブラウザ参加に切り替えるかどうかの判断が必要です。
まとめ
- Tactiqは会議ツールの字幕を受け取る方式で、botを会議に参加させません。音声の録音も保存もしません
- 日本語はGoogle Meet・Teams・Zoomのすべてで対応しています。ただしライブ字幕をオンにすることと、文字起こし言語を日本語に合わせることが前提で、ずれたまま進んだ部分は後から直せません
- 無料枠は文字起こし10回・AIクレジット5回(月)。上限に達しても文字起こしは続き、AI機能だけが止まります。有料はPro月1,249円(年払い時)から
- 精度は会議ツールの字幕に依存します。固有名詞や金額をそのまま使う用途では、確認の工程を残してください
- 音声も映像も残らないため、「何を見ながら話したか」が重要な会議では録画型との併用を検討する形になります
次の会議で、Meetの字幕をオンにし、Tactiq側の言語を日本語に合わせて1本だけ文字起こししてみてください。出てきたテキストの固有名詞をどれだけ直したかが、そのまま運用コストの見積もりになります。





