Krispの議事録機能は日本語会議で使える?対応言語と料金、仮想マイク方式の前提

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Krispの議事録機能は日本語会議で使える?対応言語と料金、仮想マイク方式の前提

在宅の会議で生活音が入るのが気になって、ノイズキャンセルのためにKrispを入れた。設定画面を触っていたら「AI Note Taker」という項目があった。

これで議事録まで済むなら、ツールを増やさなくていい。そう思って調べ始めた人向けの記事です。

Krispの議事録機能自体はよくできています。ただ、日本語の会議で使うことを前提にすると噛み合わない部分があります。この記事では、何ができるのか、公式が挙げている対応言語、料金の実際の数字、そしてbotが入らない代わりに必要になる設定を整理します。

Krispの議事録機能でできること

会議が終わると要約とアクションアイテムが出る

Krispの AI Meeting Assistant は、会議の文字起こしに加えて次のものを生成します。

  • 決定事項とアクションアイテムを含む要約
  • 話者を識別したタイムスタンプ付きの文字起こし
  • メンバーへのタスク割り当て
  • 約束と次のステップを整理した議事録
文字起こしと録音は有料プランで無制限です。書き起こしにはOpenAIの技術が使われており、長文と短文の2種類の要約、フォローアップの記録、カレンダー連携での自動共有にも対応していると報じられています(音声ノイズ除去アプリKrisp、AI自動文字起こし機能を追加|ASCII)。

botは会議に入らない

Krispの特徴は、会議に参加者としてbotを追加しないことです。

公式は「ほとんどのアシスタントは通話にbotとして現れるが、Krispはその必要がない」と説明しており、音声レベルで処理する方式を採っています(Krisp AI Meeting Assistant)。この方式のため、Zoom・Microsoft Teams・Google Meet・Slack Huddles など、プラットフォーム個別の連携を必要とせずに同じように動きます。

なお、Zoomなどでは希望すればbot方式を選ぶこともできます。

Krispの画面。会議一覧とAI Note Takerの切り替え、ノイズキャンセルの設定パネルにKrisp MicrophoneとKrisp Speakerという仮想デバイスの選択欄が表示されている
Krisp公式サイト
botを入れたくない理由で探している場合、他の選択肢は議事録AIを招待しなくても会議を記録する4つの方法に並べています。

対応言語に日本語が入っていない

ここが日本語で会議をしている人にとって最も重要な点です。


日本語の定例を議事録に残すなら Qureco
Mac用の録画・録音アプリで、Krispと同じく会議にbotを参加させません。違いは日本語の扱いで、日本語の会議を前提にAI議事録を生成します。録画そのものは無料で、時間制限もウォーターマークもありません。記事の後半でKrispとの使い分けを詳しく書きますが、先に試したい方はこちらから。

公式が挙げている言語

Krispの文字起こしは、英語がオンデバイス処理で、それ以外はサーバー側で追加15言語に対応しています。公式サイトが挙げているのは次の言語です。

スペイン語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、イタリア語、オランダ語、ポーランド語、ポルトガル語、ヒンディー語、デンマーク語、スウェーデン語、ノルウェー語、チェコ語、ウクライナ語、韓国語

この一覧に日本語は含まれていません。韓国語は入っていますが、日本語は挙げられていません。

国内記事の記述が食い違っている

日本語の解説記事では「文字起こしと要約も日本語に対応している」と書かれているものがある一方、同じ記事の中で「対応言語は日本語を除く16言語」という報告も併記されています(Krispの使い方・料金・日本語対応を徹底解説)。
別の記事では、議事録目的でKrispを選んでいる場合、日本語の文字起こしが主要言語として案内されていない製品に日本語の社内定例を任せるのは無理があると指摘しています(Krisp 代替ツール12選|AI PICKS)。

判断としては、公式が挙げている言語一覧を基準にするのが安全です。日本語の定例を任せる前提で契約するのは避けて、必要なら短い会議で自分の環境を試してから決めてください。

ノイズキャンセルは言語に関係なく効く

切り分けておきたいのはこの点です。

ノイズ除去は音声処理なので、話している言語には依存しません。日本語の会議で生活音や打鍵音を消す用途なら、Krispは今も有効な選択肢です。噛み合わないのは「日本語の議事録を作る」という一点だけです。

料金の実際

プラン表

プラン価格ノイズキャンセル文字起こし・録音AI議事録ストレージ
Free Trial$0(7日間)無制限無制限無制限-
Core月払い $16/年払い $8(1ユーザー)無制限無制限無制限10GB
Advanced月払い $30/年払い $15(1ユーザー)無制限無制限無制限60GB
Enterprise個別見積無制限無制限無制限無制限

Core では Slack / Notion / Zapier / Teams / HubSpot / Pipedrive / Affinity / API との連携が使えます。Advanced で Salesforce と ConnectWise が追加されます。

$8は年払いの数字

解説記事で「月額8ドル」と紹介されることが多いのですが、これは年払いにしたときの1ヶ月あたりの金額です。月払いだと $16 になります。

1年分をまとめて払う前提で比較していると、実際の請求と食い違います。

無料の入り口は7日間トライアル

議事録機能を含む Meeting AI の無料の入り口は、7日間のFree Trialです。恒久的な無料プランでAI議事録が使い放題になるわけではありません。

トライアル後の無料利用については、第三者のまとめで「ノイズキャンセルが1日60分まで」「AI要約は1日2件まで」と報告されています。公式の料金表にはこの数値の記載がないため、無料枠の細かい条件は登録時に確認してください。

bot不要と設定不要は別の話

Krispを検討するときに混ざりやすいのがこの2つです。

仮想マイク・スピーカーを設定する方式

Krispは通話音声を取得するために、仮想マイクと仮想スピーカーを使います。

流れはこうです。Krisp側の音声入出力に実機のマイクとスピーカーを設定し、通話アプリ側の入出力にKrispの仮想デバイスを設定します。これで通話音声がKrispを経由するようになります(前掲のASCII)。

上のスクリーンショットにも「Krisp Microphone」「Krisp Speaker」という選択欄が写っています。ここを合わせる作業が必要です。

設定が要る代わりに、プラットフォームを問わない

この方式の良いところは、会議アプリごとの連携を待たなくていい点です。音声デバイスの層で処理するので、新しい会議ツールが増えても同じように使えます。

一方で、会議アプリ側の設定を1回は触る必要があります。BlackHoleのような仮想オーディオドライバの設定でつまずいた経験がある人は、この工程で止まる可能性があります。設定なしで内部音声を録る方法はBlackHole不要!Macで内部音声を簡単に録音する3つの方法にまとめています。

Krispが向いている場面・噛み合わない場面

状況Krispで足りるか
会議中の生活音・打鍵音を消したい足りる(言語に関係なく効く)
英語の会議の議事録を残したい足りる(英語はオンデバイス処理)
韓国語・欧州言語の会議足りる(対応言語に含まれる)
botを会議に出したくない足りる
日本語の定例の議事録を残したい対応言語一覧に日本語がないため噛み合わない
音声デバイスの設定を触りたくない仮想デバイスの設定が必要
画面共有の資料も残したい音声が対象なので映像は残らない

英語会議が中心なら、Krispで一本化する形は十分に成立します。以下は、日本語の会議が中心の人向けの話です。

日本語の会議を記録に残す場合

日本語の定例を記録に残すなら、日本語の議事録を前提にしたツールを足す形になります。

QurecoはMac用の録画・録音アプリで、Krispと同じくbotを会議に参加させません。自分の端末で録るためです。違いは次の点です。
  • 日本語の会議を前提にしたAI議事録を生成します。テンプレートをカスタマイズできるので、決定事項と宿題だけを残す形にもできます
  • 仮想オーディオの設定が不要です。マイクとシステム音声を個別にON/OFFするだけで、会議アプリ側の音声デバイスを触る必要がありません
  • 画面も録画として残るので、共有された資料や数字を後から確認できます。音声のみのモードもあります
  • 録画そのものは無料で、時間制限もウォーターマークもありません。AI議事録とNotion連携はProプラン(月額980円のローンチ価格、2週間無料でクレジットカードの登録も不要)です
Qurecoの録画画面。マイクとシステム音声を個別にON/OFFでき、レベルメーターで入力を確認できる
Qureco公式サイト
併用しても衝突しません。ノイズ除去はKrisp、日本語の議事録は別という分け方が、日英が混在する環境では現実的です。

一つだけ注意点です。Qurecoにはノイズキャンセル機能がありません。生活音を相手に届かないようにする用途はKrispの領域です。また、文字起こしと議事録の生成はクラウド側で処理されるため、オンデバイス処理が要件の場合はKrispのEnterpriseプランのほうが条件に合います。

日本語の議事録ツールを横並びで比べたい場合は会議の自動文字起こしツール比較7選、英語会議の記録に寄せたい場合は英語会議が聞き取れないまま終わる人へを参考にしてください。

よくある質問

ノイズキャンセルだけなら無料で使い続けられますか

第三者のまとめでは、無料利用でノイズキャンセルが1日60分までと報告されています。公式の料金表には無料プランの分数が記載されていないため、実際の枠は登録時の表示で確認してください。議事録機能を含むMeeting AIの無料の入り口は7日間のトライアルです。

英語と日本語が混ざる会議はどうなりますか
対応言語一覧に日本語が含まれていないため、日本語部分の扱いは保証されていません。英語部分の精度を期待して使い、日本語部分は別の手段で残す形が安全です。日英混在の会議の扱いはOtter.aiは日本語で使える?でも同じ論点を扱っています。
録音データはどこに保存されますか
Coreプランで10GB、Advancedで60GBのストレージが付きます。Enterpriseではオンデバイス処理やHIPAA対応が選べると案内されています。保存先の扱いを社内で確認する必要がある場合は会議の録画データはどこに保存される?も参考になります。
議事録をNotionに送れますか
Coreプランの連携先に Notion が含まれています。Notion側の受け皿を設計したい場合はNotionで議事録を管理する方法を参考にしてください。
Otter や Notta との違いは何ですか
Krispはノイズキャンセルを本体に持つツールで、議事録はその上に載っている機能です。Otter や Notta は文字起こしと議事録が本体です。日本語対応の状況も異なり、Nottaの無料プランは1回3分までのように無料枠の設計もそれぞれ違います。

まとめ

  • Krispの議事録機能は、要約・アクションアイテム・話者識別付きの文字起こしまで生成できる。botは会議に入らない
  • ただし公式の文字起こし対応言語は英語(オンデバイス)+追加15言語で、日本語は含まれていない。韓国語は含まれている
  • ノイズキャンセルは言語に依存しないので、日本語会議でもノイズ除去の用途では有効
  • 料金は Core が年払い$8/月払い$16。$8だけを見て検討すると実際の請求と食い違う。Meeting AIの無料の入り口は7日間トライアル
  • bot不要と設定不要は別の話。仮想マイクとスピーカーを会議アプリ側に設定する工程が1回必要

英語会議が中心ならKrispで一本化できます。日本語の定例を記録に残したいなら、日本語の議事録を前提にしたツールを足す形が確実です。

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この記事を書いた人

井上 峻輔

井上 峻輔

Qurio株式会社 代表取締役

AIコンサルティング会社Qurioの創設者。上智大学にてAIを専攻し、AI研究サークル「SOMA」を設立。その後、株式会社JPMTの代表として「みんプロ」(ユーザー数1,300人突破)や業務分析SaaS「Optpath」の開発を手掛ける。2025年10月にQurio株式会社を設立し、AI・データ領域の開発・コンサルティングを展開。日経フォーラム「第30回 アジアの未来」に登壇。『テクノロジーの発展を促進する』ことを信条に、AIを活用した新たな価値創出に取り組んでいる。