顧客との商談の参加者一覧に、見慣れない名前のbotが並んでいる。「これは何ですか」と聞かれて、AI議事録ツールなんです、と説明することになった。
その一度で使うのをやめた人は少なくないはずです。
botを入れず、日本語の会議を前提にするなら QurecoMac用の録画・録音アプリで、jamieと同じく会議にbotを参加させません。違いは日本語の扱いで、jamieが日本語をBeta扱いとしているのに対し、Qurecoは日本語の会議を前提にAI議事録を生成します。録画そのものは無料、回数制限も時間制限もありません。記事の後半で違いを詳しく比べますが、先に試したい方はこちらから。
botが会議に入らない仕組み
デバイスで鳴っている音声を直接処理する
ヘッドホンを使っていても同じで、自分が聞いているものが対象になります。会議への参加方法(招待リンクの開き方やホスト権限)を変える必要はありません。この方式のため、Zoom・Teams・Google Meet といったプラットフォームの違いも基本的に関係ありません。
アプリは Mac / Windows / iOS / Android で配布されています。ブラウザ拡張ではなくネイティブアプリなので、ブラウザを変えても動きます。
録音ボタンを押したときだけ動く
「デバイスの音声を拾う」と聞くと、常に聞かれているのではと不安になります。
日本語対応はBeta扱い
ここが日本語で使う人にとって一番重要な点です。
設定で有効にする必要がある
インストールして日本語の会議をそのまま録ると、期待した精度が出ないことがあります。最初に設定を確認してください。
方言も認識するが、精度は英語に届かない
実務上の意味はこうです。会話の流れや決まったことを追う分には使えますが、社名・人名・金額をそのまま引用できる精度ではありません。議事録を顧客に送る運用なら、固有名詞と数字だけは目で確認する工程を残しておくのが安全です。
料金と無料枠の中身
プラン表
| プラン | 価格(年払い時) | 月あたりの会議数 | 1会議の上限 | 主な連携 |
|---|---|---|---|---|
| Free | €0 | 10回 | 30分 | Notion / Google Docs / OneNote |
| Plus | €21/月 | 20回 | 2時間 | 同上 |
| Pro | €39/月 | 無制限 | 5時間 | Salesforce / HubSpot / Asana ほか |
| Team | €33/席/月(2〜10名) | 無制限 | 5時間 | 一括請求・共同編集 |
| Enterprise | 個別見積(10名以上) | 無制限 | 5時間 | SAML SSO / SCIM / ISO 27001 |
無料10回・30分は誰に足りるか
数字だけ見ても判断できないので、会議のスケジュールに当てて考えます。
- 週2回の定例(各30分以内): 月8回。無料枠に収まります
- 週3回以上の会議: 月12回以上になるので、無料枠では途中で止まります
- 1時間の会議が中心: 30分の上限に引っかかるため、無料枠では使えません
つまり無料プランは「短い会議が週2回まで」の人向けです。試用としては十分ですが、毎日会議がある人が無料のまま運用する形にはなりません。
円建ての金額が記事によって違う理由
日本語の解説記事では Free ¥0 / Standard ¥3,960 / Pro ¥7,755 / Executive ¥16,335 という円建ての料金が紹介されています(前掲のAI Biz Tools)。
音声は処理後に削除される
jamieの設計で最も特徴的なのがこの部分です。
プライバシー面の扱い
顧客との会話の音声をクラウドに置き続けたくない場合、この設計はそのまま利点になります。
裏側の帰結
一方で、運用面では次のことが起きます。
- 後から音声を聞き直せません。ニュアンスや言い方を確認したい場面では、テキストに残った範囲しか手がかりがありません
- 画面共有された資料は残りません。もともと音声とテキストのツールなので、映像は対象外です。「その数字はどのスライドでしたっけ」には答えられません
- 文字起こしの精度が結果を決めます。日本語がBeta扱いである以上、取りこぼした部分を元音声で補うことができません
記録として何が残るか
| 残るもの | jamie | 画面録画型のツール |
|---|---|---|
| 議事録・要約のテキスト | 残る | 残る |
| 文字起こし全文 | 残る | 残る |
| 会議の音声 | 処理後に削除される | 残る(保存する設定なら) |
| 画面共有の映像 | 対象外 | 残る |
jamieが向いている人・向いていない人
| 状況 | jamieで足りるか |
|---|---|
| botを会議に出したくない | 足りる(これが設計の中心) |
| 音声データを持ち続けたくない | 足りる(処理後に削除される) |
| EUホスティング・GDPRが要件 | 足りる |
| 短い会議が週2回程度 | 無料枠で足りる |
| 1時間以上の会議が中心 | 有料プラン(Plus以上)が前提 |
| 日本語の固有名詞を正確に残したい | 確認の工程を残す必要がある |
| 後から音声や映像を見返したい | 別に録画する手段が必要 |
録画も残したい場合
「botは入れたくない。でも、後から確認できる形でも残しておきたい」という要件なら、記録の形が違うツールを併用するか、置き換える形になります。
- 画面と音声が録画として残るので、共有された資料や数字を後から確認できます
- 音声のみのモードもあるので、映像を残したくない面談では音声だけにできます
- 録画そのものは無料で、会議の回数制限も1回あたりの時間制限もありません。ウォーターマークも付きません
- AI議事録とNotion連携はProプラン(月額980円のローンチ価格、2週間無料でクレジットカードの登録も不要)です
よくある質問
使えます。ただし月10回・1回30分の枠内です。使い切ると翌月まで待つ形になるので、会議が多い月は途中で止まります。
まとめ
- jamieはbotを会議に入れず、デバイスで鳴っている音声を直接処理する。録音ボタンを押したときだけ動く
- 日本語はBeta扱いで、設定での有効化が必要。方言も認識するが精度は英語に劣ると説明されている。固有名詞と数字は確認する前提で使う
- 無料枠は月10回・1回30分。短い会議が週2回程度なら収まるが、1時間の会議には使えない。有料はPlus €21 / Pro €39(年払い時)から
- 音声は文字起こし後に削除される。プライバシー上は利点だが、後から聞き直すことも、画面共有の資料を確認することもできない
- 選ぶ基準は「証跡として映像を残す必要があるか」。要らないならjamie、必要なら録画が残る形
まずは無料プランで、短い会議を1本だけ日本語設定にして録ってみてください。出てきた議事録の固有名詞をどれだけ直したかが、そのまま運用コストの見積もりになります。





