無料で透かしの入らないMac用の録画アプリを探していて、QuickRecorderという名前に行き着いた。ところがApp Storeを探しても見つからず、検索するとGitHubのページが英語と中国語で出てくる。しかも同じ名前のリポジトリがいくつも並んでいて、どれが本物か分からない。
.dmg を開くのは、正直こわいと思います。lihaoyun6/QuickRecorder の1つだけで、入手方法はGitHubのReleasesかHomebrewの2択です。この記事では、本家の見分け方、入手手順、「開発元が未確認」で開けないときの対処、そして開発が今も続いているのかの確認方法までを、リポジトリと公式サイトの記載だけを根拠に整理します。結論:本家は lihaoyun6/QuickRecorder
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 本家リポジトリ | github.com/lihaoyun6/QuickRecorder |
| 公式サイト | lihaoyun6.github.io/quickrecorder(GitHub Pages) |
| 配布形式 | GitHub Releases の .dmg |
| Homebrew | brew install lihaoyun6/tap/quickrecorder |
| App Store | なし(READMEに公開予定なしと明記) |
| ライセンス | AGPL-3.0 |
| 動作要件 | macOS 12.3 以降 |
| 最新リリース | v1.6.9(2025年6月11日) |
| Star / Fork | 8,637 / 513 |
数値はいずれも2026年9月4日時点でGitHub上に表示されているものです。
なぜGitHubを探すことになるのか
QuickRecorderがApp Storeで見つからないのは、意図的にそうなっているからです。READMEには「App Storeへの公開予定はない」と書かれていて、配布はGitHubのReleasesに限られています。
lihaoyun6.github.io というGitHub Pagesのドメインにあります。つまりこのアプリの場合、公式サイトを探すこととGitHubを探すことがほぼ同じ意味になります。だから「quickrecorder github」で調べる人が多いわけです。本家とフォーク・別アプリの見分け方
検索で出てくる同名リポジトリ
D2OKAY/quickrecorder、michalliu/lihaoyun6_QuickRecorder、yks2024/-QuickRecorder、daqing/QuickRecorder といったリポジトリや、Gitee上のミラーが混ざって出てきます。フォーク自体が悪いわけではなく、単に誰かがコードを複製した状態です。ただし更新が止まっていたり、独自の改変が入っていたりする可能性があるため、配布物を落とす先としては本家に統一しておくのが無難です。
照合する4つのポイント
- 作者名が
lihaoyun6であること。URLはgithub.com/lihaoyun6/QuickRecorderになります - Starが8,000を超えていること。2026年9月時点で8,637です。フォークのStarはほぼ0です
- リポジトリ右側のAboutに公式サイト(
lihaoyun6.github.io/quickrecorder/)が設定されていること - Releasesに最新の
.dmgが置かれていること。フォークにはリリースがないものが多いです
この4点が揃っていれば本家です。逆に、Starが2桁以下のリポジトリからダウンロードする必要はありません。
App Storeの「QuickRec」は別アプリ
本家READMEが「App Storeに出す予定はない」と明言しているので、App Storeで見つかったものはQuickRecorderではないと判断して差し支えありません。名前の似たアプリを間違って入れないよう、ここは注意してください。
入手手順(Releases / Homebrew)
方法1:Releasesから .dmg をダウンロードする
Update169-166.delta のような差分ファイルも並んでいます。これはアプリ内の自動更新が古いバージョンから差分でアップデートするためのもので、手動でダウンロードして使うものではありません。落とすのは .dmg だけで大丈夫です。方法2:Homebrewで入れる
ターミナルを使う人は、READMEに書かれている次のコマンドで入ります。
brew install lihaoyun6/tap/quickrecorder
lihaoyun6/tap は開発者本人が用意しているtap(Homebrewの独自リポジトリ)です。Homebrew公式のcaskではなく作者のtapを追加する形になるので、コマンドを打つ前に開発者名が lihaoyun6 であることを確認してください。一度入れてしまえば、以降の更新は次のコマンドで回せます。
brew upgrade quickrecorder
どちらを選ぶか
| Releasesから .dmg | Homebrew | |
|---|---|---|
| 向いている人 | Mac1台で完結、GUIだけで済ませたい | 複数台、環境の再構築が多い、CLIで管理したい |
| 更新 | アプリ内の自動更新に任せる | brew upgrade で明示的に更新 |
| 注意点 | 本家リポジトリかどうかを目視確認する | tapの提供元が本人か確認する |
「開発元が未確認」で開けないときの対処
なぜこの警告が出るのか
公式サイトには「このアプリはAppleの公証(notarization)を受けていない」と明記されています。公証はAppleにアプリを提出してマルウェアチェックを通す手続きで、これを通していないアプリはmacOSのGatekeeperが初回起動時にブロックします。
QuickRecorder固有の不具合ではなく、GitHubで個人が配布しているアプリに広く起きることです。公式サイトには、開発者がApple認証済みデベロッパーの申請中であるとも書かれています。
手順
公式サイトの案内に沿うと、対処は次の順番になります。
- 最新版を上書きインストールする。古いバージョンが起動しなくなっているケースはこれで解決することが多いと案内されています
- それでも開かない場合、Finderでアプリを右クリックして「情報を見る」を開き、マルウェア保護の上書き(Override malware protection)にチェックを入れる
- チェックを入れた直後は反映されないことがあるため、数時間おいてから再度起動する
macOSのバージョンによって画面の名称や項目の位置が変わります。手元の表示が多少違っても、探すのは「このアプリの実行を許可する」に相当する項目です。
会社から貸与されたMacの場合
ここは慎重に判断したい部分です。QuickRecorderは、
- Appleの公証を受けていない
- 配布元が企業ではなく個人開発者
- ライセンスがAGPL-3.0
という3つの条件が揃っています。いずれも違法性の話ではありませんが、端末管理ポリシーで未公証アプリのインストールを制限している会社は少なくありません。業務用のMacであれば、入れる前に情報システム担当に確認しておくほうが安全です。
GitHubで確認できること(Releases と Issues の読み方)
Releasesで更新状況を見る
- 最新リリースは v1.6.9で、公開日は2025年6月11日です
- リポジトリへの最後のコード反映(push)も同じ2025年6月11日です
- つまり2026年9月時点で、1年以上新しいリリースが出ていない状態です
- v1.6.9のリリースノートには「無料証明書が6月14日に失効する」旨の告知があり、公式サイトにも「無料証明書が1年の有効期限で失効し、古いアプリが起動できなくなった」と書かれています
- リリース履歴には「1.6.xがmacOS 12をサポートする最後のバージョン」との記載もあります
リポジトリはアーカイブされていないので、開発終了が宣言されているわけではありません。ただ、更新が止まって見えるのは事実です。ここは自分の用途に照らして判断するところです。
Issuesで自分の症状が既知か調べる
Issuesには2026年9月時点で168件のオープンな課題があります(別途プルリクエストが8件)。実際に挙がっているものを見ると、
- 録画が途中で自動的に止まる
- 録画開始時にクラッシュする
- 会議アプリの音声録音に失敗する(DingTalkの例)
- 会議アプリで画面共有している間、録画が重くなる
- メニューバーのアイコンがサブディスプレイに表示されない
- macOS 27 betaでのエラー、メニューバーから停止・一時停止ができない
is:issue と症状の単語(audio、crash など)を入れるのが手早い方法です。英語か中国語のスレッドが中心になりますが、症状の再現手順やスクリーンショットが載っているので、翻訳しながらでも十分に判断材料になります。
日本語のUIはない
AGPL-3.0という条件
ライセンスはAGPL-3.0です。無料で使える理由がここにあり、ソースコードが公開されているので自分でビルドすることもできます。
更新が止まったアプリに、業務の記録を任せるか
ここまでの事実を並べると、判断は用途で分かれます。
| 観点 | QuickRecorder | Qureco |
|---|---|---|
| 配布元 | 個人開発者(GitHub Releases) | Qurio株式会社(公式サイト) |
| Appleの公証 | 受けていない(公式サイトに明記) | 利用規約とプライバシーポリシーを公開 |
| 最終リリース | 2025年6月11日 | アプリ内から自動更新 |
| 日本語UI | なし | あり |
| 問い合わせ窓口 | GitHub Issues | サポート窓口(support@qureco.jp) |
| 録ったあとの工程 | 書き出しまで | 文字起こし・AI議事録・Notion連携(Pro) |
操作手順の解説動画を単発で撮るくらいなら、更新が止まっていることの実害はほぼありません。無料で透かしもなく、内部音声も録れるので、素直に良い選択肢です。
動作環境はmacOS 12.0以降で、Apple SiliconとIntelの両方に対応しています。なお、カット編集やテロップ入れといった動画編集の機能は持っていません。録画とエクスポートまでを担当し、編集は別のソフトで行う想定です。
他のアプリも横並びで見たい場合は、以下の記事が参考になります。
- 無料で内部音声まで録れるアプリの比較: 【Mac】無料・内部音声ありの画面録画アプリ7選
- 透かしの入らないアプリを探している: Macで透かしなしの画面録画ができる無料アプリ5選
- QuickRecorder自体の機能と注意点: QuickRecorderならMacの内部音声が録れる?
よくある質問
無料です。AGPL-3.0のオープンソースソフトウェアで、機能制限版と有料版に分かれてもいません。公式サイトとリポジトリに寄付(Donation)のリンクがありますが、任意です。
Releasesページには過去のバージョンも残っているため、一覧をさかのぼれば入手できます。ただし公式サイトの記載どおり、証明書の失効によって古いバージョンが起動しなくなる場合があります。基本は最新版を使うのが前提です。
brew upgrade quickrecorder で更新できます。tapを追加する形で入っているため、brew update で情報を更新してから実行すると確実です。できます。AGPL-3.0でソースが公開されており、SwiftUIで書かれています。Xcodeでビルドする形になるため、開発環境がある人向けの選択肢です。ビルドしたものを改変して配布する場合はライセンスの義務が発生します。
ありません。ScreenCaptureKitというmacOSのフレームワークを土台にしているため、仕組みの上でmacOS専用です。
まとめ
- 本家は
lihaoyun6/QuickRecorderの1つだけ。フォークが513件あり検索上位に混ざるので、作者名とStar数で照合する - App Storeの「QuickRec-ワンクリック録画」は開発者もアプリも別物
- 入手はReleasesの
.dmgかbrew install lihaoyun6/tap/quickrecorderの2択。.deltaは自動更新用なので手動では使わない - 「開発元が未確認」は公証を受けていないため。最新版の上書きインストール、Finderの情報を見るからマルウェア保護の上書き、数時間待って再実行、の順で対処する
- GitHubはReleasesで更新状況、Issuesで既知の不具合を確認する場所として使う。最新リリースは2025年6月11日で、1年以上更新が出ていない
- 単発の収録なら十分。毎週の会議記録を任せるなら、公証・更新・録ったあとの工程を見て判断する
野良アプリを入れる前の不安は、「配布元が本家か」「更新が続いているか」の2つを確認すれば、かなりの部分が解消できます。GitHubはそのための情報が全部載っている場所です。





