Macで画面録画をしていて、無料アプリの透かしや制限にぶつかった。それで有名な有料ソフトを調べたら、ScreenFlowが199ドル、Camtasiaも199ドルの買い切りと書いてある記事が並んでいた。
この記事では、両ソフトの2026年時点の料金を公式情報から正確に整理し、そのうえで「その金額を払う価値がある用途」と「払わなくていい用途」の線引きまで扱います。Macでの選択に絞って書いているので、Windowsをお使いの方は前提が変わる点にご注意ください。
30秒で分かる要点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ScreenFlow | 買い切り199ドルから。Mac専用。メジャーアップグレードは有償(79〜119ドル) |
| Camtasia | 買い切り廃止。年6,604円(Starter)から101,438円(Pro)のサブスク |
| 透かし | 両ソフトとも無料トライアルは書き出しに透かしあり。Camtasia Starterも透かしあり |
| 払う価値がある用途 | 編集して作品にする(教材・デモ動画・チュートリアル) |
| 払わなくていい用途 | 会議や商談を記録して残す。必要なのは透かしなし・時間無制限・内部音声の3点だけ |
Camtasiaの料金は買い切りではなくなった
2025年2月に買い切りが廃止された
日本語の比較記事で見かける「Camtasia 199ドル」という数字は、2024年以前の永続ライセンスの価格です。悪意があって古い情報が残っているわけではなく、多くの記事が2023年から2024年に書かれたまま年号だけ更新されている状態です。
現在の4プランと年額
| プラン | 年額 | 主な位置づけ |
|---|---|---|
| Starter | 6,604円 | 画面キャプチャ中心。Camtasia Editor(透かし入り)とSnagitが付属 |
| Essentials | 30,462円 | 動画・音声編集。Audiate連携でテキストベース編集、字幕生成 |
| Create | 42,167円 | AIによるスクリプト生成、200種類以上の音声でナレーション生成 |
| Pro | 101,438円 | アバター生成、スクリプト翻訳、音声の吹き替え |
最安のStarterには透かしが残る
透かしが消えるのはEssentials以上、年30,462円からです。「無料アプリの透かしが邪魔だから有料にする」という動機で最安プランを選ぶと、目的が達成されないことになります。
今から旧買い切り版を買う場合の注意
ScreenFlowは買い切りだが「一度だけ」ではない
現在の価格と対応環境
メジャーアップグレードは有償
| 手持ちのバージョン | ScreenFlow 10へのアップグレード |
|---|---|
| v9・v8 | 79ドル |
| v7・v6・v5・v4 | 119ドル |
| v1からv3 | 対象外(199ドルで新規購入) |
無料トライアルの制限
どちらも機能はしっかり確認できるので、購入前に自分の用途で編集機能を実際に使うかどうかを試しておくと、判断を間違えにくくなります。
結局いくら違うのか
3年間使った場合で並べてみます。ScreenFlowは初年度199ドル、途中で1回メジャーアップグレードがあったとして79ドルを加えた想定です。
| ScreenFlow | Camtasia Starter | Camtasia Essentials | Qureco | |
|---|---|---|---|---|
| 課金方式 | 買い切り+有償アップグレード | 年額 | 年額 | 無料/年額 |
| 初年度 | 199ドル(約3万円) | 6,604円 | 30,462円 | 0円(無料版) |
| 3年総額の目安 | 278ドル(約4.2万円) | 19,812円 | 91,386円 | 0円(Proなら26,460円) |
| 書き出しの透かし | なし(製品版) | あり | なし | なし(無料版でも) |
| 動画編集 | ◯ | ◯(透かし付き) | ◯ | 該当なし |
| AI議事録・Notion連携 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | ◯(Pro) |
金額だけを見れば差は大きいのですが、比べているものが違うことに注意してください。ScreenFlowとCamtasiaは録画から編集まで完結させる制作ツールで、Qurecoは録画した内容を記録として残すツールです。安いから良いという話ではなく、用途が違います。
有料ソフトに払う価値がある用途
編集して作品にするなら妥当
ScreenFlowにはトランジション、テキストとビデオのアニメーション、マルチチャンネルの音声編集、クローズドキャプション、ProResでの書き出し、iOSアプリの画面録画といった機能があります。Camtasiaのほうも、テキストベース編集や字幕の一括生成、上位プランではAIによるナレーション生成まで揃っています。
こうした機能が必要になるのは、たとえば次のような場合です。
- 商品のデモ動画をクライアントに納品する
- eラーニング教材や研修動画を作る(研修動画・eラーニング教材をMacで自作する方法も参考になります)
- YouTube向けのチュートリアルを継続的に公開する
このとき年3万円は、素材を集めて編集ソフトを別に用意する手間と比べれば妥当な金額です。とくにScreenFlowのiOSアプリ画面録画のように、他のツールで代替しにくい機能もあります。
録画と編集を1つで完結させたいなら妥当
録画してカットして書き出すまでを、アプリを行き来せずに1本で回せることには実務的な価値があります。作業本数が多い人ほど、この移動のなさが効いてきます。
記録が目的なら払わなくていい
一方で、こういう使い方をしている人もいます。
会議を録画して、後で見返す。商談の内容を残して、社内に共有する。作業手順を録って、あとで自分が確認する。この使い方で編集タイムラインを開くことは、まずありません。それでも年3万円のプランを契約している、という状態は起こりえます。
記録が目的のときに本当に必要なのは、次の3つだけです。
- 書き出しに透かしが入らない(納品や共有に使えるかどうかが決まる)
- 時間で切れない(1時間の会議が5分で止まると意味がない)
- 内部音声が録れる(相手の声が入らなければ議事録にならない)
記録を目的にするならQurecoという選択肢
Qurecoは、いま挙げた3点を無料で満たすMac向けの画面録画アプリです。書き出しに透かしは入らず、録画時間の制限もなく、BlackHoleのような仮想オーディオを設定しなくても相手の声(内部音声)が録れます。インストールしてすぐ録画を開始できます。
Proプラン(月980円、年8,820円)では、録画からAIが議事録を自動生成し、そのままNotionへ連携できます。会議が終わった時点で議事録がNotionに届いている状態を作れるので、記録を後から探す手間がなくなります。初月は無料で、クレジットカードの登録も不要です。
録画データはMP4で書き出せるので、あとで編集が必要になったときに有料ソフトへ持ち込むこともできます。今の用途で決めて、必要になってから足すという順番でも困りません。
よくある質問
Camtasiaの買い切り版はもう買えないのですか
TechSmith公式からは購入できません。2025年2月のCamtasia 2025以降はサブスクリプション専用です。国内リセラーでは旧版が販売されていることがありますが、メンテナンス契約なしのCamtasia 2024のサポートは2026年12月31日までとされています。
Camtasiaの一番安いプランで透かしは消えますか
消えません。Starter(年6,604円)に含まれるCamtasia Editorは透かし入りです。透かしのない書き出しにはEssentials(年30,462円)以上が必要です。
ScreenFlowは毎年払う必要がありますか
毎年の支払いは不要です。ただしメジャーバージョンが上がったときにアップグレード費用(79ドルから119ドル)がかかります。v1からv3を持っている場合はアップグレード対象外で、199ドルの新規購入になります。
ScreenFlowとCamtasia、Macならどちらですか
Mac専用に作られているのはScreenFlowです。CamtasiaもmacOS 14.0以降に対応していますが、Windowsとの両対応製品です。買い切りで持ちたいならScreenFlow、AIによるナレーション生成や翻訳まで使いたいならCamtasiaの上位プラン、という分かれ方になります。
無料トライアルで作った動画は納品に使えますか
書き出しに透かしが入るため、納品物には向きません。両ソフトとも同じ仕様です。トライアルは編集機能を自分の用途で使うかどうかを確かめる期間として使うのがおすすめです。
無料アプリだけで操作マニュアル動画は作れますか
カットや字幕を入れない、画面と音声をそのまま録る形式であれば作れます。テロップや効果音を入れて仕上げたい場合は編集ソフトが必要になります。まず透かしなしで録れる無料アプリで1本作ってみて、物足りない部分がはっきりしてから有料ソフトを検討すると無駄がありません。
この記事に出てくる用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 買い切り(永続ライセンス) | 一度購入すればそのバージョンを使い続けられる方式。新しいバージョンには別途費用がかかることが多い |
| サブスクリプション | 月額や年額を払い続けることで使える方式。支払いを止めると使えなくなる |
| メジャーアップグレード | v9からv10のようにバージョンの大きい番号が上がる更新。有償になることが多い |
| ウォーターマーク(透かし) | 書き出した動画に入るロゴや文字。無料版や下位プランで入ることがある |
| 内部音声(システム音声) | Macで再生されている音。Web会議の相手の声もこれに含まれる |
| メンテナンス契約 | 買い切り版に付ける更新権。TechSmithでは現在Legacy Licenseという扱いに変わっている |
まとめ
- Camtasiaの買い切りは廃止された。 2025年2月のCamtasia 2025以降は年6,604円から101,438円のサブスクリプションです
- 最安のStarterには透かしが残る。 透かしなしで書き出すにはEssentials(年30,462円)以上が必要です
- ScreenFlowの買い切りは一度だけではない。 199ドルで買った後も、メジャーアップグレードで79ドルから119ドルがかかります
- 編集するなら妥当、記録だけなら不要。 プラン差を作っているのは録画機能ではなく編集とAI機能の部分です
有料ソフトを検討している自分が、録った動画を編集するのかどうか。ここを先に決めてしまえば、金額の判断はそれほど難しくありません。編集しないと分かったなら、透かしなし・時間無制限・内部音声ありの無料アプリで、まず1本録ってみるところから始めてみてください。





