クライアント定例が終わった瞬間、次の打ち合わせが始まる。議事録は夜になってから書くことになり、送るのは翌朝。
その順番が続くと、こちらが議事録を出す前にクライアント側で認識が固まってしまいます。「あの件は決まった話ですよね」と言われてから議事録を送っても、もう修正は効きません。
発言録にすると、読まれないまま終わる
議事録の価値は構造化とスピードの掛け算
掛け算なので、片方がゼロなら結果もゼロです。完璧に構造化された議事録を3日後に出しても、意思決定には間に合いません。
削るのが仕事
つまり、発言をそのまま並べたものは議事録の前段階です。削った後に残るものが議事録です。
送るのが遅れると、記憶より先にズレが固まる
さらに実務的な理由もあります。会議直後に作らないと、整形にかかる時間が3倍以上に膨らむという指摘もあります。夜に書くと遅いだけでなく、時間もかかるのです。
会議直後に下書きが手元にある状態を作るなら QurecoMac用の録画・録音アプリで、録画からAI議事録の下書きが会議直後に出ます。ゼロから書き始めるのではなく、直すところから15分を始められます。クライアント会議にbotを参加させないので、参加者一覧に見慣れない名前が並ぶこともありません。記事の後半で運用の組み方を書きますが、先に試したい方はこちらから。
残すのは決定・宿題・未決の3つ
冒頭2行に最重要の決定を置く
具体的にはこうなります。
【本日の決定】新システムの稼働は10月1日で確定。移行データの範囲は過去3年分に限定。
これが冒頭にあれば、あとは読まなくても困りません。読む人の時間を奪わない形が、そのまま読まれる確率を上げます。
宿題は主語と期限をセットで書く
宿題事項でいちばん多い事故は、誰の宿題か分からなくなることです。
- ◯「(弊社)9/18までに移行対象データの一覧を提出」
- ◯「(貴社・情報システム部)9/20までにテスト環境のアカウントを発行」
- ×「移行データの整理を進める」
主語を括弧で明示し、期限を日付で入れます。「次回まで」で済ませられるのは社内の定例までで、クライアント案件では日付を書いてください。
決まらなかったことは「未決」として残す
ここが多くの議事録で抜ける項目です。
会議では決まらなかった論点が必ず出ます。それを書かずに送ると、次回の会議で同じ議論が最初から始まります。決定事項と並べて、未決の欄を作ってください。
【未決】保守体制の分担範囲。次回(9/25)に貴社側の運用方針を確認したうえで再議。
書く例・書かない例
| 項目 | 書く | 書かない |
|---|---|---|
| 決定 | 稼働日を10月1日で確定 | 稼働日について議論した |
| 宿題 | (弊社)9/18までにデータ一覧を提出 | データの整理を進める |
| 未決 | 保守の分担範囲。9/25に再議 | 保守についても話が出た |
| 議論の経緯 | 決定の理由が1行で書ける場合のみ | 発言の順番どおりの記録 |
議論の経緯は「なぜその決定になったか」が1行で書けるときだけ残します。3ヶ月後に「なぜこうしたのか」を聞かれる可能性がある論点は、理由を1行だけ添えておくと後で助かります。
会議中にメモを取らない
仕切りと記録は同時にできない
クライアント定例でファシリテーションと議事録作成を1人で担っている場合、どちらかが必ず犠牲になります。
議論を仕切りながらキーボードを打っていると、相手の話が終わるのを待ってから次の論点に移る、という進行の判断が遅れます。逆に議事録に集中すると、曖昧なまま流れた発言を止められません。
曖昧な発言をその場で確定させるのが介在価値
「前向きに検討します」で流さず、その場で聞きます。
- 「前向きというのは、9月中に判断いただけるという理解でよいですか」
- 「その対応はどちらが担当する形になりますか」
この一言を入れるかどうかで、議事録に書ける内容が変わります。書く作業ではなく、聞く作業が議事録の質を決めています。
会議中に触るのは1つだけ
決定事項と宿題は、確定した瞬間に相手も認識しているので後から拾えます。一方、未決の論点は流れていくと消えます。手元のメモに「保守の分担」と単語だけ書いておく。これで十分です。
終了直後15分で出す時間割
会議が終わってからの15分を、こう使います。
| タイミング | 時間 | やること |
|---|---|---|
| 終了直後 | 3分 | 冒頭2行(本日の決定)を書く |
| 次の3分 | 3分 | 宿題を主語と期限つきで書く |
| 次の4分 | 4分 | 未決を書き、次回いつ話すかを入れる |
| 最後 | 3分 | 送る前チェック(次のセクション) |
| 送付 | 2分 | メール本文に冒頭2行を貼って送る |
議論の経緯を書かないので、15分で収まります。逐語の記録を整形しようとすると、この時間には絶対に入りません。
2時間ルールは「遅くとも2時間」という上限として理解してください。実際には終了直後がいちばん速く、そして正確に書けます。
送る前の3分チェック
クライアントに出す文書なので、確認は工程として持ちます。見るのは4点だけです。
- 固有名詞と数字: 社名、部署名、金額、日付。ここが違うと文書全体の信頼が落ちます
- 決定と検討中が混ざっていないか: 検討中のものを決定欄に書くのが最も危険な事故です。迷ったら未決に置きます
- 相手の宿題を勝手に増やしていないか: 会議で合意していない作業を宿題欄に書くと、次回の会議が揉めます
- 社外に出せない発言が混ざっていないか: 会議中に出た他社名や内部の事情は落とします
この4点は、AIが下書きを作った場合でも自分で確認してください。固有名詞と金額は、文字起こしの精度がそのまま反映される部分です。
録画は残す、議事録は絞る
会議中に書かない段取りにすると、「聞き逃したらどうするのか」という不安が残ります。ここを埋めるのが録画です。
- ホスト以外でも録画できます。クライアントが発行したリンクの会議でも、自分の端末で録る形なので権限は関係ありません
- 会議にbotが参加しません。クライアントの参加者一覧に見慣れないbotが並ばないので、説明が要りません
- AI議事録のテンプレートをカスタマイズできるので、出力を決定・宿題・未決の3項目に寄せられます。会議直後に下書きが手元にある状態から15分の作業を始められます
- 音声のみのモードもあるので、映像を残す必要がない場面では音声だけにできます
- Notionに送れるので、クライアント案件ごとに時系列で積めます
録画と録音そのものは無料で、時間制限もウォーターマークもありません。AI議事録とNotion連携はProプラン(月額980円のローンチ価格、2週間無料でクレジットカードの登録も不要)です。
クライアント会議で録る場合は、冒頭にこう添えるだけで十分です。
議事録用に記録を取らせていただきます。共有するのは決定事項と宿題の整理だけです。
よくある質問
その場合は文字起こし全文を別ファイルで渡します。議事録本体に混ぜないでください。混ぜると、決定事項が発言の海に埋まって読まれなくなります。用途が違う2つの文書として扱うのが正解です。
まとめ
- コンサルの議事録の価値は構造化とスピードの掛け算。片方が欠けると意思決定には使われない
- 残すのは決定・宿題・未決の3つ。冒頭2行に最重要の決定を置き、宿題は主語と期限をセットで書く
- 会議中はメモを取らない。仕切りと記録は同時にできない。曖昧な発言をその場で確定させることが介在価値
- 終了直後15分で出す。3分で決定、3分で宿題、4分で未決、3分でチェック、2分で送付
- 送る前に見るのは固有名詞と数字・決定と検討中の区別・相手の宿題・社外に出せない発言の4点
- 発言録は議事録に載せない。ただし元の記録は残しておくと、3ヶ月後の問いに答えられる
次のクライアント定例で、会議中にメモを取るのをやめてみてください。終わってからの15分で、いつもより速くて短い議事録が出せます。





