次の定例まで、あと7分。
前回この会議で何を決めたのか、思い出せません。議事録のリンクを開いてはみたものの、スクロールしても発言録が延々と続くだけで、どこを見れば思い出せるのか分かりません。結局そのまま会議に入り、冒頭で「前回どうでしたっけ」と誰かが言うのを待つことになります。
会議の準備が足りないのは、時間が無いからではない
全部読み返そうとすると、結局どれも読まない
事前準備の解説記事はたいてい「前回の議事録を読み返しましょう」と書いています。正しいのですが、1時間の会議の議事録が3,000字あったとして、それを会議前に通読できる人はほとんどいません。
参加者の8割が「無駄だった会議」を経験している
「議題を直前に振られて考える時間がない」という声
同じ調査の自由記述には、次のような声が並んでいます。
- 「議題を直前に振られてみんなの考える時間が一切ない」(30代・女性)
- 「会議主催者の準備不足と進行の悪さ」(60代・男性)
- 「事前のすり合わせが足りなかったと感じた」(30代・女性)
準備で直るものと、直らないもの
一つだけ注意点です。参加者の準備では直らないものがあります。
| 課題 | 参加者の準備で直るか |
|---|---|
| 前回の決定を思い出せない | 直る |
| 自分のタスクの進捗を聞かれて答えられない | 直る |
| 議論が前回と同じところを一周する | ある程度直る |
| 会議の目的が決まっていない | 直らない(議題の設計の問題) |
| 参加者が多すぎて発言できない | 直らない(会議体の問題) |
目的が決まっていない会議は、参加者が何を読み込んでも良くなりません。この記事で扱うのは、上の3行です。
会議前に見るのは3つだけ
① 前回の決定(何が確定したか)
ここを押さえておくと、同じ論点を蒸し返す側にならずに済みます。
② 持ち越したタスク(誰が何を、いつまでに)
前回の会議で終わらなかったものです。誰が担当で、いつまでか、今どうなっているか。定例会議の時間の大半は、ここの確認で消えます。
③ 自分に振られたこと(答えを用意しておく1つ)
②のうち、自分の担当分です。進捗を一言で言える状態にしておきます。終わっていなくても構いません。「来週水曜に出します」まで言えれば、その場で話が止まりません。
見つからないときの代替
| 見るもの | 本来の置き場所 | 見つからないときの代替 |
|---|---|---|
| 前回の決定 | 議事録の決定事項欄 | 会議後に送られたメール・チャットの要約 |
| 持ち越したタスク | タスク管理ツール / 議事録の末尾 | 自分の送信済みメールを前回の日付で検索 |
| 自分に振られたこと | 自分のメモ | カレンダーの招待文・前回のチャット |
読まないものを決めておく
3つに絞るということは、読まないものを決めるということです。
- 発言録の全文: 誰が何を言ったかは、今日の議論には要りません
- 雑談や前置き: 会議の最初の5分は、ほぼ確認の価値がありません
- 資料の全ページ: 当日の議題に関係するページだけで足ります
3分の使い方
時間を区切ってしまうのが、いちばん確実です。
0:00-1:00 前回の決定とタスクを開く
議事録の決定事項とタスクの欄だけを開きます。検索できる場所に記録があるなら、会議名で検索して最新の1件を開くだけで終わります。
1:00-2:00 自分のタスクの進捗を1行にする
「見積もりは先方待ち、今週金曜に回答が来る予定」のように、状況と次の期日を1行で書きます。頭の中で済ませず、手元のメモに書いてください。会議中に聞かれたとき、読み上げるだけで済みます。
2:00-3:00 今日聞きたいことを1つ書く
会議の主目的とは別に、自分が確認しておきたいことを1つだけ用意します。これがあると、発言のきっかけを待たずに済みます。
3分が取れない日は自分のタスクだけ見る
前回の記録が残っていないとき
準備の話がここで止まる人は多いはずです。そもそも議事録が無い、あっても決定が書かれていない、という状況です。
録画が残っているなら終盤5分だけ見る
チャット・カレンダーの招待文から逆算する
会議直後にSlackやTeamsへ流れた短い共有、カレンダーの招待文に追記された議題は、議事録より正確なことがあります。前回の会議の日付でチャットを検索するのが早いです。
相手に1行で確認する
社外の打ち合わせで記録が無いなら、聞いてしまうほうが確実です。
お世話になっております。本日の打ち合わせの前に確認させてください。前回は◯◯の方向で進める整理と理解しておりますが、相違ないでしょうか。
これは準備不足の露呈ではなく、認識合わせです。会議の冒頭で15分かけて擦り合わせるより、事前の1通のほうが相手の時間も取りません。
今回を「次回の3分」のために残す
記録が無くて困ったなら、今日の会議からは残す側に回ってください。次回の自分が3分で確認できるかどうかは、今日の会議をどう残したかで決まります。
社内の定例と、社外の商談で見るものは変わる
定例は「タスクの進捗」が中心
社内の定例は、同じメンバーが同じ論点を追っています。前回からの差分、つまりタスクがどこまで進んだかが主題です。決定事項は積み上がっているので、直近1回分で足ります。
商談は「相手が前回ひっかかっていた点」が中心
社外の商談では、相手の懸念がそのまま次回の論点になります。価格なのか、導入時期なのか、社内の承認プロセスなのか。ここを外すと、前回と同じ説明を繰り返すことになります。
| 見る項目 | 社内の定例 | 社外の商談 |
|---|---|---|
| 前回の決定 | 直近1回分 | 商談開始からの累積 |
| タスク | 全員分の進捗 | 自分が持ち帰った分 |
| 相手の懸念 | 必要に応じて | 必ず確認する |
| 参加者 | 固定なので不要 | 前回と同じ顔ぶれか確認 |
3分の準備が成立する、会議後の残し方
決定とタスクが1か所に、検索できる形であること
書く手間を会議後に残さない
とはいえ、会議後に議事録を整える時間が取れないのが現実です。整えられないまま下書きが溜まり、次の会議の前に読めるものが無い、という循環になります。
- 会議にbotを参加させません。自分の端末で録るので、相手の画面に見慣れない参加者が並びません
- 録画・録音は無料で、時間制限もウォーターマークもありません
- AI議事録とNotion連携はProプラン(月額980円のローンチ価格、2週間無料・クレジットカードの登録なし)で、録画から生成した議事録をそのままNotionのデータベースに送れます
- 議事録のテンプレートを設定できるので、決定事項とタスクの欄を固定しておけば、会議前に見る場所が毎回同じになります
Notionに届いていれば、会議前に開くのは1画面で済む
議事録がNotionのデータベースに揃っていれば、会議名で検索して最新の1件を開くだけです。決定とタスクが同じ位置にあるので、読む場所を探す時間がゼロになります。3分の準備は、ここまで整って初めて1分になります。
よくある質問
自分のタスクの進捗だけ、1行にしてください。それも難しければ、会議が始まってから最初の発言までの間に議事録のタスク欄だけを開く形で構いません。前回の決定は他の参加者が触れてくれることが多いですが、自分の担当分だけは代わりがいません。
主催者でないときこそ効きます。議題が直前に来る会議では、全員が同じように準備できていません。前回の決定を押さえているだけで、議論を戻す役回りになれます。
その議事録は会議前に読む価値が薄いので、録画かチャットから取るほうが早いです。あわせて、議事録のフォーマットに「決定事項」「タスク」の2欄を足すことをチームに提案してください。書く側の負担は増えず、読む側の時間が大きく減ります。
全員分のタスクを追う必要はありません。自分の担当分と、自分の仕事が止まる原因になっている他の人のタスク、この2つだけです。
まとめ
- 会議前に見るのは前回の決定・持ち越したタスク・自分に振られたことの3つだけです。発言録の全文や資料の全ページは読みません
- 3分の内訳は、1分で決定とタスクを開く、1分で自分の進捗を1行にする、1分で聞きたいことを1つ書く。時間が無い日はタスクだけ見ます
- 前回の記録が無いときは、録画の終盤5分、チャットやカレンダーの招待文、相手への1行確認で代替できます
- 社内の定例はタスクの進捗、社外の商談は相手の懸念が中心です。見るものが変わります
- 3分で確認できるかどうかは、前の会議をどう残したかで決まります。決定とタスクが検索できる場所に揃っている状態を先に作ってください
次の1本で試してみてください。冒頭の「前回どうでしたっけ」を、自分から1文で埋められるかどうかが、準備が効いたかどうかの判定になります。





